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奈良・大和高田の創業99年の銭湯「松湯」が再生へ、2027年春に「本町松湯」として再出発

奈良・大和高田の創業99年の銭湯「松湯」が再生へ、2027年春に「本町松湯」として再出発

閉業も考えていた創業99年の町の銭湯を、かつての常連客が受け継ぐ。奈良県大和高田市で昭和の初めから湯を沸かしてきた銭湯「松湯」に、次の担い手が見つかった。2026年で創業99年を迎えた松湯は、老朽化した設備を直して2027年春ごろにリニューアルオープンする計画で、そのためのプロジェクトが動き出した。再開を機に屋号は「本町松湯」に変わる。

閉業を考えていた老舗と、常連だった若い担い手

松湯の創業は昭和2年(1927年)。長く地域の風呂として親しまれてきたが、建物や設備の傷みが進み、経営者も年を重ねたことから、残せるものなら残したいという気持ちを抱えつつ店を閉じることも考えていたという。

そこで出会ったのが、奈良県出身で銭湯の運営や再生を手がけてきた太田有哉だ。太田は高校時代を大和高田市内の県立高田高校で過ごし、10年ほど前から客として松湯に通っていた。奈良の銭湯を一軒でも多く次の世代に残したいという太田と、店を続けたいオーナーの思いが一致し、松湯を引き継ぐことで話がまとまった。

松湯のリニューアルプロジェクトに関わる人たち

1995年生まれの太田は、関西大学を出て金融機関で働いたあと銭湯の世界に入った。滋賀県の「都湯」に住み込んで修行を積み、奈良県御所市の「御所宝湯」を復活させるプロジェクトに参加。リニューアル後のおよそ3年間は店長を務め、続いて京都市の「都湯-島原-」でも立ち上げから約1年、店長として店を回してきた。現在は奈良を拠点に、地方に銭湯文化を残すことを掲げて活動している。滋賀・奈良・京都と関西の銭湯の現場を渡り歩いてきた経験を、今度は自分が通っていた一軒に注ぎ込むことになる。

昔のままでも、別物でもない銭湯に

リニューアルの方針は、古い姿をそのまま保存することでも、まったく新しい施設に建て替えることでもない。これまでに積み重なった歴史や店の空気を大事にしつつ、傷んだ設備を改修する。長年通ってきた近所の人にとっては今まで以上に身近な場所に、そして銭湯に初めて触れる若い世代や市外から訪れる人にも親しまれる場所にしたい考えだ。

脱衣所の棚に置かれた招き猫と「貴重品は番台へ」の張り紙

新しい屋号「本町松湯」には、慣れ親しんだ「松湯」の名前を残しながら、この町との結びつきをよりはっきり示す意味を込めた。創業100年を節目の終わりではなく新たな始まりと捉え、次の100年へつなげていくという。

施設情報

  • 施設名:松湯(リニューアル後は「本町松湯」)
  • 所在地:奈良県大和高田市南本町8-13
  • 創業:昭和2年(1927年)
  • リニューアルオープン予定:2027年春ごろ
  • 太田有哉 Instagram:https://www.instagram.com/ochan_sentomode/