白鷺城の足もとに、秀吉の城が眠っている。兵庫県で初めて出土した金箔瓦が、いま姫路でお披露目されている。姫路市埋蔵文化財センターで、令和8年度秋季企画展「TOYOTOMI IMPACT―羽柴・木下期姫路城研究の新地平―」が開かれている。会期は2026年12月20日(日)まで。羽柴秀吉をはじめとする豊臣一族が城主や城代を務めていた時代の姫路城を、発掘調査の成果から読み解く展示だ。観覧は無料。
今の姫路城の下に眠る「秀吉の城」
現在の姫路城は、池田輝政が築いた城がもとになっている。ただ、石垣の一部や城下町の地下には、それより前の豊臣一族の時代の痕跡が残っているという。豊臣家の人々が姫路城に入ったことは古文書などで知られているが、考古学の面からの研究はまだ道半ばで、当時の城の姿ははっきりしていなかった。
展示は、古代・中世の姫路の暮らしや、戦国時代に市内にあった城館の様子から始まる。第1章では播磨国府に関わるとみられる瓦や緑釉陶器、墨書土器を、第2章では秀吉が中国(毛利)攻めで播磨に入る直前の、守護や国人衆の拠点だった城館からの出土品を紹介する。
兵庫県初の金箔瓦を初公開
注目は、プロローグで展示される金箔瓦。信長や秀吉にゆかりのある城などで使われ、権力の象徴とされてきた瓦で、令和7年の姫路城下町跡の発掘調査で兵庫県内で初めて見つかった。今回が初めての公開となる。出土からまだ間もない「最新の発見」を、無料で間近に見られる機会だ。

第3章「秀吉、姫路城を築く」では、昭和の大修理の際に大天守の地下から見つかった軒瓦や、城内に残る古いタイプの石垣、城下町の発掘成果をもとに、羽柴・木下期の姫路城の姿を探る。池田輝政の城下町が、それ以前の初期の城下町の影響を受けていたとする近年の研究もあわせて紹介。エピローグでは大坂城跡や聚楽第の大名屋敷跡から出た金箔瓦を並べ、姫路との共通点に目を向ける。

講演会や「姫路城攻略」の見学会も
会期中は関連イベントも用意されている。11月23日(月・祝)には滋賀県立大学名誉教授の中井均氏による講演会「秀吉の姫路城を探る」を日本城郭研究センターで開催(無料・定員180人・10月20日〜11月4日必着で事前申し込み)。12月13日(日)には、城内に残る羽柴・木下時代の痕跡を専門職員の解説つきで巡る史跡見学会「姫路城攻略」がある(1人300円・定員30人・11月10日〜11月24日必着で事前申し込み)。いずれも応募多数の場合は抽選。専門職員による展示解説は11月14日(土)と12月19日(土)の10:30と13:30から、当日受付で参加できる。申し込み方法の詳細は姫路市埋蔵文化財センターのホームページで確認を。
開催概要
- 展覧会名:令和8年度秋季企画展「TOYOTOMI IMPACT―羽柴・木下期姫路城研究の新地平―」
- 会期:2026年10月4日(日)〜12月20日(日)
- 時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
- 休館日:毎週月曜日(祝日の場合は開館)、祝日の翌日(土曜・日曜の場合は開館)
- 会場:姫路市埋蔵文化財センター 1階展示室(姫路市四郷町坂元414番地1)
- 観覧料:無料
- 講演会「秀吉の姫路城を探る」:11月23日(月・祝)13:30〜15:00、日本城郭研究センター大会議室(姫路市本町68番258)。駐車場に限りがあるため公共交通機関での来館を呼びかけている
- 史跡見学会「姫路城攻略」:12月13日(日)10:00〜12:00、姫路城三の丸広場集合・解散







