明石の地面の下から出てきたものが、古代の明石の姿を語ってくれる。明石市立文化博物館で2026年11月14日(土)から、企画展「発掘された明石の歴史展『播磨国風土記』と明石」が始まる。会期は2027年1月11日(月・祝)まで。市内や周辺の遺跡から見つかった遺物を、毎年テーマを変えて紹介してきた展覧会シリーズの最新回だ。
「失われた明石郡」を、出土品で埋める
奈良時代に編まれた『播磨国風土記』は、播磨の各地の地名の由来や伝承を今に伝える貴重な記録だ。ところが、明石郡にあたる部分は失われている。もし残っていれば、遺跡として今に残る寺院や墓の謂れ、名前の由来にも触れていたはずだという。
そこで今回は、風土記の時代にあたる7〜8世紀の遺跡の出土品を中心に並べ、発掘調査の成果から当時の明石を描き出す。文字の記録が欠けた土地を、土の中から出てきたもので補う試みだ。
見どころは、祭祀・駅家・周辺地域の出土品
見どころは3つある。
- 井戸から車輪石や銅鏡が出土した藤江別所遺跡の品々など、古代の祭祀を物語る出土品
- 明石駅家(うまや)と邑美駅家に関わる瓦などから迫る、古代の交通の拠点「駅家」の姿
- 神戸市、兵庫県立考古博物館、多可町など、周辺地域の出土品もあわせて公開
展示は7章立て。「古墳時代の明石」では円筒埴輪や須恵器、寺山古墳の馬形埴輪などが並び、「駅家」の章では大蔵中町遺跡などの瓦、「明石郡衙」の章では木簡や円面硯が登場する予定だ。ほかに「7世紀代の明石」「寺院」「邑美頓宮と名寸隅船瀬」「古墳時代の祭祀遺跡」の各章がある。展示資料は現時点の予定とのことなので、行く前に最新の情報を確認したい。


講演会とシンポジウム、報告・講演会も
会期中は、関連イベントが2回ある。どちらも参加する日ごとに、その日の観覧券が必要だ。
1回目は2026年12月13日(日)13:00〜16:30の「講演会とシンポジウム」。兵庫県立考古博物館館長の菱田 哲郎氏、国立歴史民俗博物館名誉教授の春成 秀爾氏、立命館大学非常勤講師の高橋 明裕氏が基調講演を行い、そのあとのシンポジウムでは丸山 潔氏(明石市文化財保護審議会委員)がコーディネーターを務める。
2回目は2027年1月9日(土)13:00〜15:00の「報告・講演会」。明石市歴史文化財担当の稲原 昭嘉による報告「風土記関係の遺跡の調査から」と、神戸大学大学院人文学研究科教授の古市 晃氏による講演「古代明石の歴史世界―風土記と海上交通―」がある。
いずれも会場は2階大会議室(受付12:30)で、申込は先着順の定員80名。11月5日(木)10:00から各イベント前日の15:00まで、申込フォームで受け付ける。1グループ4名まで申し込める。
開催概要
- 名称:企画展 発掘された明石の歴史展『播磨国風土記』と明石
- 会期:2026年11月14日(土)〜2027年1月11日(月・祝)
- 時間:9:30〜17:30(入館は17:00まで)
- 休館日:月曜日(11月23日、1月11日は開館)、年末年始(12月28日〜1月4日)
- 会場:明石市立文化博物館 1階 特別展示室(明石市上ノ丸2丁目13番1号)
- アクセス:JR・山陽電鉄「明石」駅より北へ徒歩5分
- 観覧料:大人200円、大学・高校生150円、中学生以下無料。20名以上の団体は2割引、65歳以上は半額、シニアいきいきパスポート提示で無料。12月6日(日)は観覧無料
- 関連イベントのお問い合わせ:歴史文化財担当 078-918-5629(日曜・月曜・祝日・11月24日を除く9:00〜17:30)
- 主催:明石市/共催:明石市立文化博物館







