58年ぶりに復活!奈良・氷室神社の神事をパワードウェアでサポート



着用型ロボットを開発・販売するATOUN(奈良市)は、2020年10月1日、58年ぶりに復活した奈良・氷室神社(※1)の「御渡り」(※2)に、体の負担を軽減するパワードウェア(※3)を提供し、斎行をサポートした。

「御渡り」は、氷室神社と興福寺南大門跡(御旅所)の間を重量約350kgの御鳳輦(ごほうれん)(※4)を担いで往復する神事。約10名の担ぎ手が歩行を支援するパワードウェアHIMICOを、御鳳輦の上げ下ろしの介添えを担当する4名は腰と腕を助けるパワードウェアATOUN MODEL Y + koteをそれぞれ装着し、約2kmの行程を練り歩いた。



氷室神社の例祭は、1117年(永久5年)に悪疫鎮止のために始まったとされていたが、奈良市内の交通事情などを理由に、1962年(昭和37年)に中断。今年、世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るっていることを受けて、悪疫鎮止の祈願として復活したものとなる。ただ、「密」などへの配慮から御鳳輦の担ぎ手の人数を抑えざるをえず、安全な神事斎行のための対策を検討されていた氷室神社からATOUNに相談されたことをきっかけに、今回のパワードウェア提供が実現した。

担ぎ手からは「脚(歩行)が楽になったおかげで担ぎやすかった」という主旨のコメントが多く寄せられ、中には「状況に応じて3段階のアシストを使い分けた」と短時間でパワードウェアを使いこなす人も見られた。




〈パワードウェアHIMICOについて〉
日々の歩行を支えるパワードウェア。歩行支援用パワードウェアのHIMICOは、坂道歩行で最大19.0%、階段の上りでは最大17.8%、砂地の歩行では最大30.7%の支援効果。快適な着心地を目指して、歩く姿勢や癖などの個人差を意識したアシスト制御手法の開発、および、さらなる小型軽量化に取り組んでいる。

パワードウェアATOUN MODEL Y + koteについて〉
ATOUNが開発・提供する腕と腰の両方をアシストできるパワードウェア。腰をアシストするパワードウェア「ATOUN MODEL Y」に、腕をアシストするパーツ「+ kote」を搭載したモデル。2021年1月発売予定。(先行受注は受付中)

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※1「氷室神社」
奈良県奈良市にある神社。創建は710年(和銅3年)。
http://www.himurojinja.jp/

※2「御渡り」
祭礼の際に、神社からご神体などを神輿などの乗り物に移して、氏子とともに行列をつくって練り歩くこと。

※3「パワードウェア」
あうんの呼吸で人間のパワーを引き出す、ウェアのように軽い「着るロボット」。
https://atoun.co.jp/powered-wear/

※4「御鳳輦」
神社の祭りなどに使われる屋形の上に金銅の鳳凰の飾りがある神輿。





株式会社ATOUN
所在地   〒631-080 奈良県奈良市左京6丁目5-2
代表者   代表取締役社長 藤本弘道
設立    2003年6月6日
事業内容  パワードウェアをはじめ、働く人たちの体の負担を軽減する“着るロボット”の開発・普及に取り組むロボティクスファーム。生来の身体的能力差にかかわらず、自由自在に動きまわれる「フリーアビリティ社会」の実現を目指している。パナソニック株式会社、三井物産株式会社など5社が出資。
URL  https://atoun.co.jp/

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● text by EeNa

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