『100分de名著』で俳優「のん」が朗読を披露!京都大学河合雄教教授が解説
古今東西の名著をやさしく解説する『100分de名著』(NHK Eテレ)が8月に取り上げるのは、ミヒャエル・エンデの『モモ』。日本でも累計341万部を記録した大ベストセラーは、私たちに「本当に豊かな生とは何か?」という疑問を投げかける。俳優のんによる朗読も大注目の1ヶ月が間もなく始まる。
時間の価値を根源から問いなおす傑作を、京都大学の河合俊雄教授がやさしく解説。7月22日に発売となった番組テキストは、せわしない日常を生きる大人たちに向けたメッセージに溢れている。
『モモ』あらすじ
ある日、街はずれの円形劇場跡に現れた少女モモには、不思議な力が備わっていました。街の人びとは、モモに話を聞いてもらうだけで気持ちが楽になり、失った自信をとりもどすのです。しかし、そこにやってきたのが「灰色の男たち」。彼らは人びとに時間の節約を説いてまわり、浮いた時間を盗んでいく時間どろぼうでした。みなが心の余裕を失うなか、ついにモモが立ち上がる――。
現代社会にも存在する「灰色の男たち」
『モモ』には現代社会への強烈な批判も含まれており、単なる児童文学の枠に収まらない作品だ。現在、新幹線や飛行機などの移動交通手段が発展し、インターネットが社会の隅々にまで行き渡った。しかし、我々は時間を節約するどころか、ますます忙しくなっていないだろうか。豊かさを手に入れたつもりで、張り合いのない日々を繰り返していないだろうか。『モモ』という作品は、「灰色の男たち」が私たちの背後にいることも告発する。
俳優のんによる朗読にも大注目!
本シリーズの朗読を務めるのは、劇場アニメ『この世界の片隅に』(片渕須直監督)で声優を務め、大好評を博した俳優のん。『私をくいとめて』(大九明子監督、2020年冬公開予定)で主演を務めることも発表され、ますますの輝きを放つ若き才能がどんな朗読を聞かせてくれるのか。独特の世界観をもつ『モモ』だけに期待が高まるばかりだ。
こころの深層に迫る講師の名解説!
今回『モモ』を読み解くのは、京都大学教授の河合俊雄氏。ユング心理学の巨星・河合隼雄を父にもつ、臨床心理学の専門家だ。河合は、私たちが意識することのない心の深層に迫るためには、『モモ』のようなフィクションを読むことが大事と解説。『モモ』なら何度も読んだという人にも、驚きの読解を披露してくれる。番組では伊集院光さんとの掛け合いにも注目したい。
歴代名著100作の読みどころを紹介する企画もスタート!
100作品突破を記念して、歴代講師が名著の読みどころを紹介する企画「#たちよみ100分de名著」もスタート。お気に入りの一冊を見つけてみよう。
テキスト編集部ツイッター
https://twitter.com/100min_Meicho
◆商品情報
書名:NHKテキスト100分de名著 ミヒャエル・エンデ『モモ』
出版社:NHK出版
発売日:2020年7月22日
判型:A5判並製
ページ数:104ページ
ISBN:978-4-14-223116-4
Web
https://www.nhk-book.co.jp/
◆放送情報
NHK 100分de名著『モモ』(全4回)
2020年8月3日(月)、10日(月)、17日(月)、24日(月)午後10時25分~10時50分 ほか放送予定
公式サイト
https://www.nhk.or.jp/meicho/
【文章】EeNa編集部