奈良の芸術祭「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」を10月に開催



今年の10月に奈良県の吉野町、天川村、曽爾村で、芸術祭「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」が開催されることになった。

コロナの影響により多くのイベントが中止や延期となったことで、オンラインで開催されるものも増加傾向にある。だが今回、コロナ対策を万全にして三密を避けられる場が、奈良の広大な地に訪れた。




MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館④つの見どころ

①with コロナで開催される
多くの芸術祭がコロナの影響で中止となっているが、本芸術祭は広大な地域で三密を避け、五感でリアルに体感できる芸術祭となる。

②自然を歩く
吉野町、天川村、曽爾村をそれぞれ3〜5時間ほどかけ、自然に包まれながらアート作品を鑑賞・体験する。

③関係人口の創出を目的に
鑑賞に時間をかけて歩くため、複数泊が必要になる。普段は意識しない自然や地域の人々との関わりによって、地域に多様に関わる人々を生み出すことを目的とした関係人口創出型の芸術祭となる。

④世界遺産を堪能
世界遺産をはじめ、日本の始まりを象徴する風景を感じることができる芸術祭となる。




MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館 開催概要
(英語表記)
OKUYAMATO MIND TRAIL Museum in your mind

期間:10月3日(土)〜11月15日(日) 
会場:奈良県 吉野町、天川村、曽爾村
入場料:無料
主催:奥大和地域誘客促進事業実行委員会、奈良県
協力:株式会社ヤマップ
プロデューサー:齋藤精一(ライゾマティクス・アーキテクチャー代表)
キュレーター:林曉甫(特定非営利活動法人インビジブル理事長)
参加アーティスト:井口皓太、上野千蔵、oblaat、菊池宏子+林敬庸、木村充伯、毛原大樹、齋藤精一、坂本和之、佐野文彦、力石咲、中﨑透、西岡潔、ニシジマ・アツシ、細井美裕、他

詳細はウェブサイトにて
https://mindtrail.okuyamato.jp
*本サイトは8月末公開予定。アーティスト、地域の皆さんへのインタビューなども掲載。




MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館コンセプト

【1、WHY WALK? なぜ歩くのか?】

コロナ禍では自分の足で歩いたことで、家の周りや、自分の身体や周辺空間の解像度が上がったことに気がついた人も多いことだろう。同時に、Stay Home期間中、人は結果として土に触れ、自然を見ることで理由の無い落ち着きを取り戻し 「人間とは?」「自然とは?」「環境とは?」「いのちとは?」など、答えなき哲学的な問を考える機会にもなったのではないかと。

奈良・奥大和の広大な大地を使い、今この時期だからこそ自分の足で歩き、アートを通して身体と自然を感じてほしい、そのような思いから歩く芸術祭を広大な奥大和で開催することになった。




【2、WHY ART? なぜアートなのか?】

今年、多くの芸術祭はコロナの影響で中止もしくは延期になっている。県をまたいで美術館に行くことも容易ではなくなった今、自分を写す鏡もなくなってしまい、何かが足りないという感情になっている人々も多いはず。

芸術祭や美術館はそこに行かなければ体験することができない。しかし、このような未曾有な状況にあるからこそ、「自分がいる場所=心の中に美術館」を作ることができるのだ。アーティストたちがこの未曾有の自粛期間に貯めたエネルギーを、奥大和の自然や大地と共に展示できないだろうか。そんな思いとともにこの芸術祭は開催される。

自然から、そしてこの土地に住む人々から、この芸術祭に訪れた誰もが多くのことを気づかされるかもしれない。




プロデューサー 齋藤精一
1975年神奈川県生まれ。建築デザインをコロンビア大学建築学科(MSAAD)で学び、2000年からニューヨークで活動を開始。03年の越後妻有アートトリエンナーレでアーティストに選出されたのを機に帰国。フリーランスとして活動後、06年株式会社ライゾマティクスを設立。16年社内に設立された3部門の中のひとつ、「アーキテクチャー部門」を率いる。2020年ドバイ万博日本館クリエイティブアドバイザー。2025年大阪・関西万博People’s Living Labクリエイター。

デザイン:合同会社 オフィスキャンプ(奈良県)
MIND TRAIL の始まりとなるようなビジュアルを意識して制作。円が人を、背景の緑と水がそれぞれ各地域のテー マを表現している。このクリエイティブが、本芸術祭の入口となり自分に内在する自然を旅するきっかけとなるかもしれない。

ロゴ:坂本和之
プラクティスである「円相」をモチーフにしている。「円相」は、かたちのはじまりを意味し、最小限の行為を意味する。自然と人の間に位置する、行為としてのアートをメタファーにしている。

撮影:西岡潔
今回の会場の一つである吉野町をロケ地に、名所ではない場をあえて意識し撮影した。今回の各地域のテーマである「森(吉野町)・水(天川村)」を表現する風景を撮影。


【文章】EeNa編集部


 

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