京都の老舗酒蔵が酒米農家を守るプロジェクトを設立!サポーターを大募集!
北川本家(京都市)は、酒造好適米(酒米)の契約農家である丹州河北農園(綾部市)と共同で8月に始めたプロジェクト第2弾として、10月5日よりクラウドファンディングで「【山田錦のお米とお酒】創業360年 京都・伏見で顔の見える酒造りと農家との取り組み」を開始した。
【URL】https://camp-fire.jp/projects/327953/
プロジェクトの概要
新型コロナの影響による日本酒の減産、農家への酒米の発注激減、農家での山田錦の生産減少の悪循環を食い止めるための支援を募集する。
酒造りには農家との良い関係が重要であることを知ってもらう。
普段は食べない山田錦をこの機会に多くの人に食べてもらい、日本酒に対する興味を持ってもらう。
プロジェクト立ち上げまでの経緯
新型コロナ感染症(COVID-19)拡大防止のための飲食店の休業や営業自粛から、日本酒が減産に追い込まれ、それによって私たち酒蔵も今季の酒米が予定通り発注できなくなった。
それでなくても高齢化の進む農家は、注文の減る山田錦を植えなくなり、そのうち消滅してしまうのではないかという危機に面している。美味しい日本酒を作り続けるために、20年間の長い付き合いの中で様々な困難に立ち向かってきた両者が、今回もこの危機を一緒に乗り越えようと、クラウドファンディングを行うことを決意。
そして知恵を出し合って考えた結果、普段は食べない山田錦を食してもらい、その米でできたお酒を飲みながら、この問題に関心を持ってもらおうというアイデアが生まれた。
山田錦について
山田錦は、日本酒の原料米「酒造好適米」の中でも知名度、作付面積でトップを誇る。米の粒が大きいだけに、育つのに時間がかかり、背が高いために普通の風で倒れてしまうという、苦労の絶えないお米だ。
リターンについて
河北農園で契約栽培している酒米「山田錦」だけで醸造した「富翁 純米吟醸 丹州山田錦」と、河北農園が生産した「山田錦」の白米を真空包装したもののセットや、その他のものと組んで、3,000円から100,000円まで準備している。
・その他のリターン例
50,000円:上記の商品の他に、北川本家社長も参加するオンライン酒の会(限定あり)
100,000円:支援者3組様限定の酒蔵見学
CAMPFIRE 公開ページ
https://camp-fire.jp/projects/327953/
真空包装
この取り組みのため河北農園では新たに真空包装機を導入し、食べきりサイズ約 2 合 (300g)の真空包装が可能となり、白米の保存可能期間が飛躍的に伸びた。
熱い農家 卓ちゃん自慢のお米
河北農園の河北卓也さん(卓ちゃん)は、農業を営み24年になります。
今は主食用米、酒造好適米、賀茂なす、その他の野菜を生産している専業農家だ。
富翁 純米吟醸 丹州山田錦
河北農園で農薬を極力使用せずに栽培した山田錦だけを原料に、京都で開発された酵母「京の琴」と伏見の名水「伏水」で醸した純米吟醸酒となる。
地元「京都」にこだわった『米作りから醸造・販売まで顔の見える』限定流通商品で、京ブランド食品「京都吟味百撰」認定商品。
京都・伏見で360年以上続く酒蔵として
「富翁」北川本家は江戸時代初期 明暦三年(1657 年)の創業以来、京都・伏見で360年以上の酒造りの歴史を持つ老舗蔵元だ。伏見の豊かな水に恵まれた環境のなかで、京都の食文化とともに歩みながら、「伝統は革新の連続」をモットーに伝承の技に磨きをかけてきた。
今回の新型コロナ禍は人々の距離を離してしまうという、とても悲しい状況を作り出してしまった。感染拡大防止のためには仕方ないことだが、普段は日本酒やお茶を飲みながら、心を通わせるという大切な機会を失った今、私たち日本酒に関わる人間にとっても、これからどうすれば良いのかわからないというのが正直なところ。
日本酒は人と人の繫がりに役立っていることを、クラウドファンディングの支援を通して、なんとか思い出してもらえればと考えている。
株式会社 北川本家
Web: https://www.tomio-sake.co.jp/
● text by EeNa