【ワンピース】階層&指示命令なし!ボーナスも給与も自分たちで決めるワケ
「人々の毎日に、幸せや歓びや感動の溢れる世界をつくる。」を企業コンセプトに掲げるワンピース(兵庫県加古川市)は、社会全体の幸せを目指した独自の経営手法「ワンピース式経営」を導入している。
中でも、ワンピースに所属する全従業員(正社員・パートタイマー関係なく)が参加可能であり、会社の最高意思決定機関である「ワンピース会」という全社会議が特長的だ。
■「ワンピース会」誕生の背景
ほんの4、5年前までは、180度異なる経営手法を取っていたワンピース。従業員数が増え始めた段階で、どうしても避けては通ることのできないコミュニケーション不足により発生する問題、経営者と従業員の温度差、従業員の幸福度の低さにぶつかったという。
その状態に疑問を持ち、打破したいと考えた久本が出会ったものが『「生きる力」の強い子を育てる』(天外伺朗著)だ。また同時期に、チームビルディングを学び、従業員が「幸せ」な状態でいられる経営手法に取り組み始めたのだ。
「フロー」の概念×「対話ファースト」×チームビルディング
これらの考えを組み合わせ、「ワンピース会」が誕生した。
■「ワンピース会」を行う理由
会社の方向性やルールは、CXO陣やマネージャークラスの役員・管理職メンバーが決めていくことが一般的。だが、従業員にとっては“会社”や“上司”が決める制度は「やれと言われたからやっている。」「うまくいかなくても自分のせいではない」といったと捉え方になりやすく、物事に対して主体的ではなくなる。
他者が決める制度(決定に自分が携わっていない状態)は、外発的動機になりやすく、従業員が「ジブンゴト化」するには難しい状況となる。
では、どのようにすれば「ジブンゴト化」しやすいのか?自然とその状態になるのか?を考えた結果が「ワンピース会」だった。
つまり、それはどういうことかと言うと、意思決定プロセスを全社に公開し、かつ、全従業員が意思決定に携わることで内発的動機を生み出し、自然と「ジブンゴト化」が進むということ。学術的にも、自己決定の度合いによって幸福度が変わると言われている。まさに「ワンピース会」は、従業員が会社のことを「ジブンゴト化」することによって起きる「幸せ」につながる根幹と言える。
■「ワンピース会」の制度とは
「ワンピース会」とは、ワンピースにおける最高意思決定機関であり、大小様々な会社のルールなどを全てここで決める。
参加者自由、発言自由、議題提起自由。
さらに一度決まった決定事項も再度議題提案することも可能だ。月1回のペースで開催され、丸一日をかけて参加者全員で議論する。
今回紹介した「ワンピース会」は、「ワンピース式経営」の中の一つに過ぎないが、この手法を取り入れたことで、経営者・従業員双方において「組織の当たり前」を手放すことになり悩みや諦めが薄れ、新しい体制でありながらも結果が出せる組織と成長を遂げている。そして、この新しい在り方が、働く世界における幸せを広げ、また人生の豊かさにつながるだろうと考えている。
■只今見学会を受け付け中
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只今、ワンピースでは、「ワンピース会」を一般公開する見学会を実施している。※見学会はZoomを使ったオンライン開催となる。
https://peatix.com/event/1680255/
● text by EeNa