スポーツイベントの運営で鍵を握るのは「楽しさ・達成感・仲間」〜後編〜

今回のゲストは、スポーツイベントの主催やボランティアマネジメントを行う、森村ゆきさん。森村さんは、現在、RunforSmile株式会社と一般社団法人PARACUPで代表を務めるなど、多岐に渡って活躍をされています。株式会社F(エフ)の久保田万美が、森村さんとスポーツイベントの運営、あり方を中心に熱く語り合います。(株式会社Fより転送


スポーツイベントの運営で鍵を握るのは「楽しさ・達成感・仲間」〜前編〜


―スポーツ界の現状を考える

森村:近年、あらゆるスポーツが注目されてきていますし、スポーツ業界盛り上がっていますが、日本のスポーツの元は、部活動だと思います。今年は新型コロナの影響によって、高校野球やインターハイなどの多くの大会が中止となりましたが、昔から「部活」と社会に出てからの「スポーツ」とが分断されているのを感じています。部活の引退とともに学生たちがスポーツから離れてしまう。社会の流れとして、折角の経験が繋がっていかないイメージがあるのですよね。

久保田:スポーツが持つ力、スポーツの素晴らしさを身をもって体験しているのにですよね・・・。

森村:競技も大事ですが、競技としてだけでなく、ライフスタイルの中にスポーツがもっともっと入ってくると良いですよね。競技をやっていた経験がある人だからこそ、その良さを一般の人にも伝えられるようになるといいと思います。ちょっとしたストレス解消のために体を動かすことで、自分が変化していくことを感じる機会が増えてきていると思います。

一般の方はウォーキングをするだけでも、自分を感じる時間を取り戻せる良さがありますからね。ガチでスポーツをやっていた人が一般の方に目線を合わせるのはなかなか難しいのですが、人生の大半はガチではないスポーツをするわけなので、その目線になって指導や場を提供できたら競技者のキャリアにも繋がると思います。

―大人にも子供にも良い環境づくり

久保田:今後、取り組みたいことはありますか?

森村:スポーツや教育に触れるチャンスを「子供たちに提供できないかな」と考えています。郊外に住む子供たちは、都心の子供たちよりも自然に触れる機会が多いというアドバンテージを持っていますが、最新の習い事などに触れる機会が少ないです。

一方、都心の子どもたちは、お金を払えさえすれば様々な習いごとをする機会を得ることができますが、自然に触れる機会は極端に少ないですよね。住む場所や所得によって経験できることに格差が出ているという現状があるので、どうにかできたらいいな、と思います。

久保田:郊外に住むようになってから、そのように感じるようになったのですか?

森村:そうですね。郊外にいる人たちは、自然の中で自由に遊べる環境に恵まれていることに気づいていない側面があるように感じます。私は都心から引っ越してきて「自然が豊かで楽しい」と思うけど、地元の人はそんなに貴重と思っていない、いい意味で当たり前ですからね。

久保田:何か良いアイディアはないですかね?

森村:郊外の場所や施設を利用して都心の子供たちに対して自然の中で自由に遊べる場所を提供し、かつ運営をすることでビジネスになれば良いと思いますね。逆に様々な新しい習い事などを郊外でも受けられるようにする。お互いのいいところを交換するみたいな、そうすることで、互いにメリットが生まれますかね。できれば、子供たちが行き来できる、親戚の家みたいな場所を、地方で増やしていけたら面白いと思いますね。親も住んでいる地域以外に、気の合う知りあいがいて、気軽に相談ややりとりできるのはメリットがあると思います。

―今後の可能性を探る

久保田:子供たちが自然と触れ合う、体を動かす場が増えるといいですよね。コロナの影響によって、「郊外に出て、より体を動かしたくなった」という気持ちがより強くなりました。

森村:分かります。現状、都心の方がコロナの感染者が多いですからね。「ピリピリする雰囲気が強いのかな」と心配しています。

久保田:自粛要請中に都心の公園に行っても、人が多かったですからね。

ゆきさんは、いつもポジティブだし、とてもアクティブですよね。そのパワーはどこから生まれてくるのですか?

森村:私は、何かが始まって形になっていく過程が、面白くて好きなのですね。皆のエネルギーが集まって変化していく流れがあると、色々やりたくなってしまいます。

久保田:ゆきさんは、一歩前に踏み出す力がありますよね。

森村:でも、1人だとできないですからね。仲間を見つけてやっていくのが良いのかなと思いますよ。

久保田:リーダーとして巻き込んでいく力が素晴らしいと思います。これから何か一緒に取り組めるといいですよね。

森村:Fさんが関わるサッカー教室と塾がコラボした「Hanaspo(はなスポ)」のように、スポーツの中に教育を絡ませていくのが良いと思いますね。部活を引退した子どもたちが培ってきたものが、きちんとキャリアとして繋がっていくようになってほしいです。

久保田:まだやることは、たくさんありますね。ワクワクする時間をありがとうございました。今度は(画面を通してではなく)リアルにお会いしましょう!  (了)

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