アンジュジュ|下山シェフがフランス料理の道に進んだワケ「業界でNo.1になる」
アットホームな店づくりに励み、心に響く料理を展開するフランス料理店『アンジュジュ』(兵庫県神戸市)。オーナーシェフの下山芳正さんは、これまで名だたる料理店で修行を積んできたという。下山さんは、なぜフランス料理の道に進んだのだろうか?
―下山さん、まず料理人を目指した理由を教えてください。
下山:私は高校を卒業後、「かねてつデリカフーズ(旧かねてつ食品)」で3年間働きましたが、「人の役に立つ仕事をしたい」と思い、大阪府消防署の試験を受けました。しかし、残念ながら惜しくも不合格となりました。
―その後どうしましたか?
下山:「自分の腕を磨いて生きていこう」と、覚悟を決めて料理の道を選びました。
―ものすごい方向転換ですね!影響を受けた料理はありましたか?
下山:沢山ありましたね。特に、料理の鉄人をされていた「石鍋裕」さんに憧れて、東京にあるフランス料理店「クイーン・アリス」に伺いましたし、石鍋さんの本もたくさん読ませていただきました。
―ということは、フランス料理の世界に進んだのですか?
下山:そうなります(笑)。やるからには、「料理業界でNo.1になる」と決意をして、フランス料理の世界に飛び込みましたね。
まず、20代の頃にポートピアホテルやリゾートトラストなどで修行を積みましたね。30代になって初めて独立をして、神戸市内でお店をオープンしました。しかし、3年後に阪神淡路大震災による被害を受けて閉店をしました。
それからが本当に大変で、仕事を転々としましたね。40代になると落ち着いてきて、芦屋プレイバッハで総料理長を、レストラン北野クラブで副料理長を務めることができました。そして再び独立をして、2016年3月に現在の『アンジュジュ』をオープンしました。
―下山さん、これまで様々な経験をされてきたのですね。お店の場所は、何を基準に選びましたか?『アンジュジュ』は、穏やかな雰囲気の街にありますね。
下山:「働く女性が1人でも安心して入れる店にしよう」と、神戸市内で空き店舗を探しましたね。妻がインターネットで外観がオシャレな物件を発見し、「ここしかない」と、すぐ決めました。
―『アンジュジュ』という店名の由来を教えてください。
下山:店名は、なかなか良いものが見つからず、悩んでいましたね。ある朝、妻が寝ぼけて大きな声で私の名前を叫びまして、私はビックリして起きて妻に寝ぼけた状態で話しかけると、妻は次のように返答してきました。
「私、今夢の中で創大なゲームをやっていたのよ。いいことした人にはエンゼルをあげるゲームをしていて、ある人が『僕はエンゼルが苦手なのですが、替えていただけますか?』と言われたので、グリコに替えてあげたの」
―えっ、すみません。一体どういうことですか?(笑)
下山:そうですよね(笑)。妻から訳の分からない話を長々とされたのですが、「ちょっと待てよ。エンゼルゲームをフランス語に訳すとどうなるのか?」と思い、調べてみました。すると、『アンジュジュ』となかなか良い単語だったので、店の名を『アンジュジュ』に決めたのです(笑)。
―素晴らし過ぎます!お2人の愛の結晶が、店名を生み出したのですね。
下山:ありがとうございます(笑)。
―ところで、来店されるお客様にどのような方が多いですか?
下山:年配のお客様が多いですね。バブル期にフランス料理を食べ歩いていた方が多く、『アンジュジュ』を大変重宝していただいています。
次回へ続く。
アンジュジュ
住所:兵庫県神戸市北区日の峰3丁目1−3
電話:078−595−7670
営業時間:
11:30~15:00
(ラストオーダー 13:00)
17:30~22:00
(ラストオーダー 20:00)
定休日:日曜日、祝日(土曜日はディナーのみの営業)
HP
https://angejeu.wixsite.com/angejeu
Facebook
https://www.facebook.com/angejeu/
―プロフィールー
下山芳正
【経歴】
レストラン キングズ アームズ
リゾートトラスト
神戸ポートピアホテル
QBB六甲バター フロマージュ クロ 料理長
ビストロ ポールリカール オーナーシェフ
ビストロ グロスビィズ オーナーシェフ
芦屋プレイバッハ アシャック 総料理長
北野クラブ 副料理長
ラ カーサ ミーオ 総料理長