尾崎食品 矢部社長が強くこだわる食品づくり「大切なのは“味と安全性”」vol.1
1971年に兵庫県神戸市で創業。個人商店『尾崎豆腐店』として始まり、1981年に法人化によって『尾崎食品株式会社』となった。こちらでは、「国産大豆100%、伊豆大島天然海水にがり、職人の技」にこだわった『尾崎のとうふ』などを製造販売している。来年創業50周年を迎える尾崎食品の矢部拓社長は、「食品づくりに強いこだわりを持っている」という。
―矢部社長、御社の経営理念を教えてください。
矢部:「安心安全で美味しい豆腐を世界中に届ける」ことを理念としています。そのために「嘘をつかない。誤魔化さない。こだわりを追求する。」を社員に徹底しています。
また、2020年から新たに次のような取り組みもスタートしました。
①食品ロスゼロ
②教育と福祉
③女性のエンパワーメント
④クリーンエネルギー
⑤ディーセントワーク
⑥外国人労働者の雇用
⑦地域経済の活性化
⑧持続可能な消費と生産
―ものすごくアグレッシブに活動されていますね。矢部社長が、今の仕事を始めるきっかけは何だったのですか?
矢部:私はICTとデジタルマーケティングの会社を経営しています。コロナで仕事が減り、新たな顧客を探している時に尾崎食品と出会いました。
工場敷地内の『とうふ工房 亜蔵』で食べた豆腐の美味しさと、工場の中を案内してもらった時に知った独自の製造方法に感動しました。
「仕事としてお手伝いさせてもらおう」と決めた時に、社長就任を打診されました。2020年4月15日に就任したばかりで、製造業は初めての新人社長です。
―社長に就任されたばかりとは驚きました!食品の材料選びのこだわりについて教えてください。
矢部:大豆は国産大豆100%です。初代社長の尾﨑義隆が国産大豆100%に方向転換し、日本で初めての有機国産大豆100%の豆腐を作りました。現在はさまざまな理由から有機大豆は使用していませんが、今後さらに国産大豆へのこだわりを追求していきます。
にがり(苦汁)に「伊豆大島天然海水にがり」を使用し、凝固剤は一切使用していません。私が社長に就任後、当社の豆腐職人と他の塩生産者のにがりを試してみましたが、伊豆大島の物が大豆の甘味を最も引き出すように感じています。
厚揚げに使用している油は、国産米油です。日本人は元来お米が主食の民族です。同じ油を摂取しても、米油だと太りません。社長に就任してから、毎日豆腐と米油を口にしていますが、4kg痩せました。
―大豆、苦汁、油それぞれに強いこだわりを持って生産されているのですね。オススメの商品は何になりますか?
矢部:『田舎とうふ』…昔ながらの作り方の「もめん豆腐」ですね。しっかりした歯応えがあり、大豆の風味を味わっていただけます。湯豆腐に最適です。
『濃いきぬこし』…通常よりかなり豆乳濃度が濃い「きぬこし豆腐」です。大豆の旨味と甘味が凝縮されています。冷奴に最適です。一口目は何もつけずに、二口目は淡路島産のお塩で、あとはお好みでお醤油やポン酢をつけて召し上がっていただくことをオススメしています。
『豆乳グルト』…豆乳と植物性乳酸菌のみ、動物性のものを一切使用していないのでオススメしています。
―食品製造する際に、大切にしていることはありますか?
矢部:豆腐は通常、豆乳を窯で煮て作りますが、当社では豆乳を湯煎するように間接的に温める自社工場独自の製法で豆腐にします。直接火にかけないことで、大豆本来の旨味・甘味・風味を失うことがありません。
当社の豆腐に使用する大豆は、その年の出来、品種、産地から選定し、2~3種類ブレンドしています。毎年変わる配合、製造する時の温度や湿度で、職人が濃度や量を決めて、にがりを打っています。ITのチカラで自動化も試みましたが、今のところは不可能です。
豆乳を温めるとどうしても泡ができますが、当社では消泡剤を使用しません。職人が「泡は灰汁だから掬い取った方が、味が良くなる」と手作業で取り除いています。
また、安全面でも自社工場独自の滅菌処理で、加熱と冷却を施し、田舎とうふで 300 CFU/gram以下を守っています。豆腐の微生物指導基準は、カット豆腐で 100,000 CFU/gram、充填豆腐で1,000 CFU/gramです。1g中に10万個細菌がいる豆腐が口に入るまでの経路を考えてください。当社の豆腐の安全性がわかると思います。
―味と安全性について、しっかりと研究を重ねてきたのですね。現在、開発中の食品はありますか?
矢部:食品ロスゼロの取り組みの一つとして、原材料全てがヒューマングレードの「犬用おからトリーツ」を販売開始予定です。また、兵庫県内の食に関する企業等と協力して新製品の開発に着手しています。
―顧客にどのような方がいますか?
矢部:当社のお豆腐は決して安くはありません。それでもご愛顧いただいているお客様は、味と安全にこだわっておられる方々です。当社工場敷地内の『とうふ工房 亜蔵』でも自然食品を販売していますが、自然食品・ヴィーガンフード、ロカボ(低糖質)フードをお求めのお客様が多くいらっしゃいます。
最近はSNS等の情報発信のおかげで、「美味しいと噂を聞いて」と飲食店経営者の方や一般の若いお客様が増えています。
次回へ続く。
【尾崎のとうふ】
尾崎食品株式会社
所在地:〒651-2114 兵庫県神戸市西区今寺37-16
TEL:078-975-7391 / FAX:078-975-7396
SMP:090-4277-1179
Web:http://ozaki-s.com
Twitter:
https://twitter.com/ozakinotofu
Instagram:
https://www.instagram.com/ozakinotofu.jp/
Facebook:
https://www.facebook.com/ozakinotofu
Google:
https://g.page/ozakinotofu/review?gm
LINE:@066ovuqc