高く跳んでゴールを決める！ミズノ新ハンドボールシューズの秘密を公開！

2020.09.20

ハンドボールは過酷なスポーツだ。なぜなら、「走る・跳ぶ・ボールを投げる・状況判断を行う」など、あらゆる能力が必要とされているからだ。今回、ミズノから新登場したハンドボールシューズ『Wave Stealth NEO』は、「高く跳びたい」「高く跳んで相手の上からシュートを決めたい」プレーヤー向けに開発されたという。

高く跳ぶための秘密を公開！ミズノ新バレーボールシューズの開発者にインタビュー

ミズノ株式会社
グローバルフットウエアプロダクト本部企画部
インドア・ラケットスポーツ企画課
アシスタントマネージャー
『Wave Stealth NEO』企画開発者
大門寿彦氏

―ハンドボールシューズに関して、年々どのような変化が見られますか？

大門：国内のハンドボール選手のシューズに関しては、色々なブランドの多くのカラー、特に国内ではあまり発売していない海外モデルや海外限定カラーの着用が目立ちます。

また学生などに関しても、国内ではあまり見られない「他人と被らない目立つシューズ」の着用が増加している傾向があります。今まで市場の中で着用の多かった、「ザ・ハンドボールシューズ」といったクラシックなモデルの着用は減っていますね。

―なるほど。では、海外ではどうですか？

大門：海外で着用されているシューズに関しては、機能性のあるテクニカルなシューズが好まれている傾向は変わらないですね。大きなトレンドしては「クッション性のある柔らかいシューズ」を着用しているトッププレーヤーが増えてきている印象を受けます。

―ハンドボール選手は、持久系と瞬発系の動きを繰り返すという印象があります。その分、体へのダメージが大きいので、シューズの役割が非常に大切になりますよね？

大門：はい、おっしゃる通りで、選手の皆様が使える唯一の「ギア」がシューズですし、大変重要な役割を担っていると思います。

瞬時に動く際の、シューズのグリップ性や屈曲のしやすさ・安定性、ジャンプ・着地時に必要となってくるクッション性、そして激しいプレーにも耐えうる耐久性。これら多くの機能が、それぞれのポジションごと、選手のニーズごとに異なり、シューズの重要性や役割というのは大変大きいと感じています。

―シューズに、そこまでの機能が求められているとなりますと、『Wave Stealth NEO』の開発にかなりの時間がかかりそうですね。

大門：今回のシューズ『Wave Stealth NEO』に関しては、商品のコンセプト提案、開発から発売までは約2年かかりました。

―2年ですか。デザインで工夫した点はありますか？

大門：デザインに関して、工夫した部分、特長的な部分として、
①ミズノのアイデンティティとなる「ランバードマーク」の見せ方
②新素材「MIZUNO ENERZY」をいかに視覚的にも見せるか
③新素材としてニットアッパーを採用

①については、通常のシューズ同様、アッパーに大きくマークを入れるのではなく、今までチャレンジしたことのないような、ミッドソールの安定性を高めるためのサイドウォールにランバードマークを入れました。そうすることで、よりデザイン的でなおかつ、安定性を高めるサイドウォールに視点がいくように意識しています。

また、ソール背面のラバー部分にも大きくランバードマークを入れることで、このシューズのコンセプトでもある、「ジャンプ」をする際にソール背面のマークがより主張するように意識しました。

②に関しては、シューズの内部にMIZUNO ENERZYを配置しているため、その素材を視覚的にみることができません。そのため、アウトソールの背面より、素材が見えるように窓を作り、選手への説明、接客時の説明時、セルフで買う際にもしっかりと「機能が目に見えること」を意識しています。

③に関しては、従来のハンドボールシューズの多くがいわゆる「メッシュ」を採用していますが、ニットを採用することで、耐久性のアップと見た目のトレンド感を表現しています。

―かなり細かい部分まで工夫しているのですね！『Wave Stealth NEO』の特長について教えてください。一般的なハンドボールシューズと比較して、どのような違いがあるのか知りたいです。

大門：特長としては、弊社が今回新たに開発した、MIZUNO ENERZYによる、「柔らかさと反発性」を、ハンドボールとして重要な「ジャンプ」に焦点を当てている点です。

また、比較の対象をどれに置くかが大変難しいですが、一般的なハンドボールシューズと比較して、「クッション性と反発性」では、この『Wave Stealth NEO』は大変優れております。

―『Wave Stealth NEO』はクッション性と反発性が優れているのですね。クッション性が優れていれば体へのダメージが減ると思います。反発性が優れることで、どのようなメリットが増えるのでしょうか？

大門：自身でためた力を、ロスを少なくプレーに還元できる点がメリットだと考えております。もともと素材が持っている柔らかさによってためた、接地時や着地時のエネルギーを、ロスを少なくジャンプなどの動作に反発させる、跳ね返すことができます。

―なるほど。サンプルを何足作りましたか？

大門：具体的な数字は実際には数えておりませんが、通常開発のシューズの3倍ほどのサンプルをまわして検証を重ねました。

―3倍となると、相当な数ですね！選手からの声も参考にしていますか？実際どのような声があるのでしょうか？

大門：選手の声は常に参考にしております。実際に、今回のこのモデルを作る際にも、ハンドボールが大変人気なヨーロッパの主要国をまわり、選手や主要店へのヒアリングを行いました。

―それは、凄いですね！

大門：大変ありがたいことに、ヨーロッパの多くのトップ選手からはミズノインドアシューズに対して大変満足しているという声ばかりをいただきました。そのヒアリングの中でも、プレーをする上でクッション性は重要といったコメントや軽量性が何といっても一番重要など多くのコメントをもらいました。

ですが、実際に彼らが発言している内容と着用しているシューズなどに「ずれ」が生じてきている点、このギャップにこそ多くのヒントが隠れており、そこを常に大切にしています。

―まさに、世界のミズノですね！『Wave Stealth NEO』をどのような選手に履いてほしいですか？

大門：とにかく高く跳びたい。
高く跳んで相手の上からシュートを決めたい。
そのようなジャンプを実現したい選手に、ぜひ一度『Wave Stealth NEO』を試してもらいたいです。

―次のモデルの開発も進んでいますか？今後の展望についても教えてください。